K75thunderbirdのブログ

どちらかというと自分の頭の整理用です。ネタとしてはモバイル、自動車、ロードバイク、電気関係やPC関係の突っ込んだ話題、ややデバイスやコンポーネント寄りの偏った内容になると思われます。

LGの有機ELのスペックとか、使ってみた感想とか。

現在、テレビ向けの大型有機ELパネルを生産しているのは、ご存じのとおりLGのみとなっていますが、このパネルが年々どのようなスペックに変化しているのか調べてみたのである程度まとめておきます。
といっても、仕様書レベルのようなものはデーターとして出てこないので、世の中に出回っている情報をまとめてみたというレベルではありますが。

◆2015年
輝度450nit
色域はDCI-P3に対して90%程度

◆2016年
輝度800nit(余裕を見て駆動して700nit)
色域はDCI-P3に対して100%程度

◆2017年
輝度1000nit
色域は改良されているようだが不明


パナソニックが欧州で有機ELテレビを展開し始めたのが2015年のパネル。
このパネルは大幅な発展途上のもので、サンプルと製品版で発光の安定度などが明らかに違うなど、かなり頑張って開発している最中であることが伺えた時期のもの。

国内各社が有機ELテレビに使用しているのが2016年のパネル。
輝度がHDRの基準を満たすまでに向上し、色域も多少拡大され、発光の安定性も満足できるレベルに達し、とりあえず言うことが無くなった感じです。

2017年のパネルについては、3D非対応となったため、偏光フィルムを剥いだ分だけ明るくないっているのでは?という話もありますが、それだと2016年の3D非対応パネルと同等ということになってしまいます。
LGのコメントとしては、輝度25%アップとなっているので、一応パネルの基礎レベルでの何らかの改良は加わっていると思いますが。

改良の方向性としては、生産性(良品率)の向上と、輝度の向上、色域の拡大、この3つが当面の目標となるのは間違いないでしょう。
ただ、輝度と色域は相いれないものなので、どちらを優先するか?というのは悩みどころかと。
出光が生産しているという有機EL素材の革新的な変化があれば、あるいは両立できるかもしれませんが。


ちなみに、2016年パネルを使用してみて思ったのは、RGBの表現に不満はそれほどないものの、CMYの表現は少々苦手かもしれない、です。
特に輝度が上がったとき、パネルがRGBWであって白画素で輝度を稼いでいるので、たとえば黄色が白っぽくなります。
液晶と見比べていると、明るい炎がオレンジっぽい感じにならずに白っぽく見えることがあり、その辺はRGBCMYのカラーテーブルを調整してみるといいのかもしれないですね。
何となく、CMYのガンマ(表現が適切かは分かりませんが)が浮いている感じがします。もう少しガンマカーブを落としてやれば・・・という印象です。
もっとも、色域の設定が適切かどうかという話もあるので、その辺はきちんと調べてみる必要はありそうですが。

ちなみにRGBWという話が出たので思い出しましたが、サムスンや日本メーカーが挑戦していたパネルはカラーフィルターを使用せずにRGBを直接発光させる有機EL方式でしたね。
で、サムスンの最近のスマホタブレットでの色域は、表立ってはカタログに載ってきませんが、インタビューなどの情報を見てみるとAdobeRGBの90%くらいをカバーしているようです。
AdobeRGBとDCI-P3、RGBの座標は少しずつ違うので一概に比較できませんが、三角形の面積としてはどちらも同じくらいです。
その基準値に対してのカバー率として、90%や100%といった値が出ているということは、RGB方式もRGBW方式も、どちらも似たような色域のレベルには到達しているのでは?と考えて良い気がします。一般にはRGB方式の方が発色が良いとされていますけどね。
ものすごく大雑把な話なので、まぁ参考程度に。

 

それでは皆さん、ごきげんよう