インターネット浦島太郎がIPv6に挑む
久しぶりすぎて、自分のブログの場所を発掘するところから始めた浦島太郎です。
生きているのでご心配なく。
奇しくも2年前の同日に更新していたわけで、何となく感慨深いものが・・・ありませんね、ハイ。
さて、インターネットです。
IPv6です。
お恥ずかしながら、ここ10年くらいはまともに最新情報を吸収していなかったので、出てくる単語が異世界言語。
とりあえずIPv4とIPv6は分かります。アドレスの拡張なので。
問題は認証プロトコルのPPPoEやIPoEだけでなく、そこに関係して IPv4 over IPv6 なるものまで出てきたこと。
そして、それが単一規格ではなく複数存在し、呼称が様々であること。
脳内整理も兼ねて、メモ書きしておきます。
まず最初に、ざっくりと把握。
■ IPv4(PPPoE)
おなじみのIPv4アドレスを使って、PPPoE認証で接続する。
最も普通で、最もオーバーヘッドの多い(負荷の多い)接続方法・・・という認識。
ただし、IDとパスワードを使っているので、一番理解しやすい方式でもある。
■ IPv6(IPoE)
IPv6のアドレスを使って、新方式であるIPoEで接続する。
現在の最新方式と言っていいはず。
最も戸惑うのは、IDとパスワードが存在しないということ。
サポートセンターは言葉を濁しているものの、どうやらMACアドレスで認証しているらしい、という話。
でもMACアドレスって書き換えできましたよね、PCだと。ネットワーク機器ではどうなんだろう。
基本的にはこの組み合わせのどちらかでの接続となる。
簡単ですね。
が、ここで問題になるのはIPv6の対応が進んでいないという現状。
要するに、v4とv6で下位互換とかそういうのは存在しないんですね。
具体的な数値は確認していないものの、既存のホームページの大半がIPv4しか対応しておらず、IPv6で接続できるのは限られたページのみ。
そうすると、IPv4のアドレスが枯渇しつつあるのに、IPv4とIPv6の両方のアドレスを使わないとネットに接続できないことになる。
これではまずいわけです。
ここで出てくるのが、IPv4 over IPv6。
IPv4の通信をそのままIPv6に流してしまおう、という力技な解決法です。
いいですね、ブルートフォース。
具体的な手法は省略。
さて、この IPv4 over IPv6 ですが、問題がないわけではない。
というのも、最初に書いたように複数の方式が存在する。
当然、機器によって対応状況が異なる。
そのため、契約したら実際には使えなかったというパターンがありうる。
ここが今一番混乱を招いている部分だと思います。
代表的なサービスを挙げると
transix
v6プラス
IPv6オプション
OCNバーチャルコネクト
ちなみにこれ、IPv4 over IPv6 のサービス提供会社は「VNE事業者」と呼ばれ、プロバイダとは別の存在。
プロバイダが自社で提供している場合もあるものの、固有名詞が入っていないサービスは別会社と考えて良いかと。
また、話を難しくしているのが、同じプロバイダでもVNE事業者が途中で変わる場合がある、ということ。
最近のぷららとか、そんな感じ。
さらに、プロバイダによってはVNE事業者名を明らかにしていない場合もあるということ。
これは新興企業に多い印象。
もっとも、サービス名が正確ならそこから推測できるわけですが。
とまぁ、もうこの辺りまでくると何が何やら分からなくなってきます。
ちょっと脳内アーキテクチャを改変してレジスタ増やしたい。
理解が追い付かない。
ということで、今度は信号の流れを追って整理。
PCは、IPv4で通信を開始
↓
ハブは、イーサネットの信号を流すだけなので、アドレス変換は無し
↓
ルーターは、WAN側から見て単一のIPアドレスに変換し、ついでにIPv4をIPv6に変換(VNE事業者によって変換方法は異なる)
↓
ONUは、電気信号を光信号に変換
↓
光ファイバーは、1回線を32ユーザーで共有
↓
地域ごとに収容ビルでまとめる
↓
IPoEなので網終端装置を通らず、ゲートウェイルーターからVNE事業者へ
・・・ここから先は、ざっくり言ってインターネット網と考えていい気がするので、追いかけるのはここまで。
ひかり電話を契約している場合、ONUがIPv4 over IPv6をしてくれる・・・のか?
よくわからん。
そして複数のサービスが存在するIPv4 over IPv6 だが、決して高いルーターが対応しているとも限らないので、処理に要するパワーはそこまで高くないような気がする。
ただ、方式によってはファーム待ちだったり、ファームが古いと遅かったり、制限事項が多少違ったりする。
個人的にはASUSの無線LANが全滅してるのが残念でならない。是非対応してほしい。
■ IPv4のPPPoE接続
PCは、IPv4で通信を開始
↓
ハブは、イーサネットの信号を流すだけなので、アドレス変換は無し
↓
ルーターは、WAN側から見て単一のIPアドレスに変換
↓
ONUは、電気信号を光信号に変換
↓
光ファイバーは、1回線を32ユーザーで共有
↓
地域ごとに収容ビルでまとめる
↓
PPPoEなので各県の網終端装置を通ってプロバイダへ
・・・ここから先は、ざっくり言ってインターネット網と考えていい気がするので、追いかけるのはここまで。
PPPoEセッションを張るのは、ルーターかONUどちらかが担う。
何となくONUしかできない気がしてたけど、ルーターでも可能らしい。
その場合の性能差は気になるところ。
ちなみに、混雑する時間帯に遅いと言われるボトルネックが、この網終端装置とされている。
1装置あたりのセッション数が一定数に達しないと増設できない代物で、設置するのがNTTなので、プロバイダは手も足も出ない。
一定数って何やねん!と思って調べてみたら、網終端装置の規模や東日本西日本での差異はあるものの、元々は2000とか8000とか、そういう数値だった模様。
なお、平成30年6月に20%緩和されたらしい。
とはいえ、帯域をセッション数で割ると、1セッションあたり数百kbpsでしかない。
ブロードバンドって何?
ついでにもうひとつ。
2018年7月23日~29日の調査において、網終端装置総合計の帯域に対してトラフィックが最大で7割程度なので、NTTとしては余裕があると考えているらしい。
これに対しては、5割超えで増強を検討、7割で増強だろJKというツッコミがあったそうな。
また、全体の総合計では7割でも、局所的には問題あるだろというツッコミもあったそうな。
あと、利用率94%を超えるとパケットロス数が増加し始めるらしいので、覚えておくと役立つかもしれない。
参考:https://www.soumu.go.jp/main_content/000602335.pdf 44ページ
■ IPv6のIPoE接続
PCは、IPv6で通信を開始
↓
ハブは、イーサネットの信号を流すだけなので、アドレス変換は無し
↓
ルーターは、WAN側から見て単一のIPアドレスに変換
↓
ONUは、電気信号を光信号に変換
↓
光ファイバーは、1回線を32ユーザーで共有
↓
地域ごとに収容ビルでまとめる
↓
IPoEなので網終端装置を通らず、ゲートウェイルーターからプロバイダへ
・・・ここから先は、ざっくり言ってインターネット網と考えていい気がするので、追いかけるのはここまで。
以上、ものすごく大雑把に把握してみた。
ただし、スカパーなどのテレビ系コンテンツの経路など、不明点は結構多い。
まともに流したら帯域が不足するけど、どうやって多重化してるんですかね。
この辺は、気が向いたらまとめてみたい。
あと、思い出したのでもう一つ。
「IPv4 over IPv6 があればPPPoE要らないよね」というスタンスのプロバイダがある。
この場合、ユーザー側で任意に切り替えができない。
どうみてもPPPoEにかかるコストをケチっているようにしか見えない。
GMOはそのタイプなので、ある程度自分でコントロールしたい派の人は注意されたし。
とはいえ、今後は全体的な流れとして、その方向に向かうのだろうとも思う。
それでは皆さん、ごきげんよう。