K75thunderbirdのブログ

どちらかというと自分の頭の整理用です。ネタとしてはモバイル、自動車、ロードバイク、電気関係やPC関係の突っ込んだ話題、ややデバイスやコンポーネント寄りの偏った内容になると思われます。

消費電力におけるi7とCeleronの比較

フルロード時も、TDPも、そもそもCeleronの方が低クロックなのだから低消費電力である。
という当たり前の結論は置いておいて、今回はアイドル時の消費電力について。

 

以下の内容、あくまでも「HWiNFO64の値が正しいのであれば」という但し書きがつく。
念のため、そのことに留意されたい。

 

仕事も含めて公私混同でノートPCを使っている。
CPUはi7-8565Uである。

省電力化のため、ThrottleStopを使ってコア-90mV、アンコア-40mV程度の調整をして使っている。
そのおかげもあってか、起動してしばらく放置したときの CPU Package Power の最低値は0.75W程度に収まる。
ちなみにクロックは400MHzである。

十分すぎるくらいに優秀なのだが、ここにCeleron 3955Uという比較対象が出現した。
格安でに入手した遊び用のPCである。
鋭い人はピンとくるであろう、例の富士通シンクライアント端末だ。
ちなみに3000番台だがIvyではなく、Skylakeである。


i7はCoffie Lake・・・じゃなくてWhiskey Lakeなので、厳密にいえば世代は異なる。
ただ、改良に改良を重ねた14nm世代なのと、アーキテクチャがほぼ変わっていないので、挙動に関してはほぼ同じと考えていいだろう。

で、このCeleronであるが、Celeronなのでいろいろと弱い。
キャッシュが少ないとか、クロックが低いとか、選別漏れなんじゃないかとか、省電力機能はきちんと働いているのかとか、そういう話だ。
後半は個人的意見だが。

CeleronもThrottleStopを使ってコア-90mV、アンコア-50mV程度の調整をしている。
その上で、 CPU Package Power の最低値は1.3W程度にしかならない。
クロックはi7と同じく400MHzなので、条件は変わらない。
ただし、4コアではなく2コアであるのに、だ。
訳が分からない。

 

まず、HWiNFO64が言うところの「CPU Package Power」とは何だろうか。
内訳がすべて表示されているわけではないので、詳細は不明だ。
ただ、含まれると思われるもので値が示されているのは「IA Cores」と「GT Cores」だ。
「IA Cores」は、いわゆるCPUのコアそのもの。
「GT Cores」は、内蔵グラフィックス部分。

GTでもスライス部分とアンスライス部分があるようだが、両方を含むかどうかは不明である。
また、これ以外にもアンコアやキャッシュやリングバスもある。
ただし、この辺りについては消費電力の値は表示されていない。
個々に拾うセンサーがないのか、あっても値取得の方法が開示されていないか、そんなところだと思うが。

話を戻すと、「IA Cores」と「GT Cores」については、値を見て一喜一憂できる。
ということで比較してみよう。

 

まずはIAについて。

i7は最低値が0.2W弱である。
Celeronは最低値が0.1W強である。
電圧の差異はあるが、同クロックでコア数が倍と考えれば、この値については何の不思議もない。
順当な結果である。

次にGTについて。

最低値を見ると共に0W付近なので、Celeronはアンコアが大飯食らいであると結論して良いように思う。
なお、最低値ではなく普段使っているときの値で比較すると、
i7は0.02W程度、Celeronは0.4W程度であり、アンコアだけでなくGTもCeleronは電気を食う。
もしかしたらiGPUのドライバを変えたり設定を変更すれば変わるのかもしれない。
ただ、あまりにも違いすぎる。

 

他、比較できる値としては、「Total DRAM Power」がある。
Totalなので、DRAMの消費電力も含んでいるような気がする。たぶん。
i7が16GBのDDR4(たぶんデュアルチャンネル)で、平常時0.5W、最低0.3W
Celeronが12GBのDDR4(デュアルチャンネル)で、平常時0.95W、最低0.45W
なぜかCeleronが倍近い消費電力となっている。

ただ、これには理由があることが分かっている。
クロックだ。
共に「DDR4-2133」規格だが、i7は低負荷時に半分のクロックで動作している。
Celeronは定格のままだ。
よって、DRAMの消費電力の差は、クロックに起因すると考えて間違いないだろう。

 

結論らしい結論が出せないが、Celeronの電力管理が雑なのか、無効化された部分のダイに何らかのリーク電流があるのか、その辺までは調べ切れなかった。
ただ、Celeronは省電力機能を意図的に制限している様子は見て取れる。
ピークを伸ばすこともできないが、絞ったときに絞り切れない。
価格差を考えればさもありなん、という感じではあるが、制御くらいはもう少し頑張ってもいいのでは?と思わなくもない。
ノートPCにおける1Wの違いは結構大きいので、もう少し頑張ってほしかったところではある。

もし時間があれば、Intelの技術資料などからヒントが得られないか調べてみたいとは思うが、今日はこの辺で。

 


それでは皆さん、ごきげんよう