K75thunderbirdのブログ

どちらかというと自分の頭の整理用です。ネタとしてはモバイル、自動車、ロードバイク、電気関係やPC関係の突っ込んだ話題、ややデバイスやコンポーネント寄りの偏った内容になると思われます。

PS5のSSDの謎

謎と言うほど謎でもないのだが、PS5のSSDコントローラは12チャネルアクセスで、PCI Express 4.0対応のカスタム品であることは公表されている。
製造するのはどこだろうか。

 

現時点で世間に出回っているPCI Express 4.0対応のSSDコントローラーは、全てがPhison製の PS5016-E16 だ。そもそも、SSDコントローラーを作っている会社自体が少ないが、2社目については聞こえてこない。
可能性があるとすれば Marvell、Samsung、Silicon Motion、この辺りになるが、カスタムチップを作るだけのフットワークがあるだろうか。
何となくではあるが、既に製品としての実績を持ち、なおかつ10カ月でチップを完成させたPhisonが今回のカスタムチップも製造するように思える。

 

ただ、現状の PS5016-E16 についてはいろいろと苦しいところがある。
一つは発熱だ。
この理由は仕様を見るとすぐに分かる。PCI Express 3.0でも爆熱で知られていたPhisonだが、今回も当時と同じ28nmプロセスなのだ。
正直なところ「いつまで28nm使い回してんねん!」と思わずツッコミを入れてしまうレベルだ。
まぁ、コストの問題もあるし、純粋にTSMCのキャパが足りなかったのもあるだろうし、そもそも製造数も多いとは言えないだろうから、仕方ないところはあるのだろう。

もう一つ、苦しいところはコントローラーだ。
ARM R5 2core の構成とされている。他社では5coreのコントローラーを使っている例もある。コアそのものの規模やクロックの違いはあるだろうが、性能を考えるともう少し欲しいところだ。

このまま12ch化するのであれば全体的に1.5倍の規模に拡大することになるが、狭い筐体に押し込んだ上で安定動作させる必要があるゲーム機において、発熱の問題は低減しておきたいと考えるだろう。絶対的な発熱量はCPUやGPUに及ばないが、この辺のチップにアクティブヒートシンクを付けるのはコスト的にも故障リスク的にも避けたいはずだ。

20nmプロセスはあまり一般的ではないので、16ないしは14nmプロセスで製造することで緩和策を講じるのだろうか。
この辺りはSONYさんが「お金のことは気にせず、ドーンとやりたまへ」とでも仰るのだろうか、仰って欲しい、仰るに違いない。

 

そして、一番の謎を思い出した。
825GBという中途半端な容量である。
チップ内のスタック数などによっては、一見すると中途半端な数字になる事もある。しかし825をチャンネル数で割っても550Gbitである。何となく切りが良いように思えるが、我々はこれを切りが良いとは認めない。64や128や192や256といった数こそスッキリする数字なのである。
192Gbitx3=576Gbit というのが最も正解に近いように思うが、これについては結論が出そうにない。ただし、容量を減らしている要因になりそうなものは推測できる。

<代替領域の確保>
NANDが基板実装なので、ある程度の冗長性は欲しいと思われる。

<SLC動作モードの領域確保>
普通、SLC動作モードの領域も含めての容量を示すはずなので、ちょっと違うような気もするが、可能性はゼロではないと思う。
これと関連して、DRAMキャッシュレス構成になる可能性もあるかもしれない。ゲーム機の性格上、データーの読み出しがメインになると思われるからだ。DRAMの実装コストが性能に及ぼす影響を考えれば、悪くない選択肢だとは思う。

この辺り、実機が出てからの分解レポートを待つことにしたい。

 

 

それでは皆さん、ごきげんよう