人間の感覚はアテにならない
引きこもり万歳な昨今、運動不足を気にする人は多いだろう。
インドアトレーニングの一環としてローラー台を使っていた身としては、運動の場が特に変わるわけではないのだが、そんな自転車にまつわる話を記しておきたい。
ローラー台とは何ぞや?
そう思う人は、とりあえずググってみてほしい。
要するに、道路を走るための自転車を室内で使うためのニッチな道具である。
大雑把に言ってしまえば、「ハムスターの回し車」だ。
本当に自転車を上に載せているだけの構造のものもあれば、自転車を固定して使うものもある。個人的にはどちらも使用したが、今のところは後者を使っている。
スポーツタイプの自転車で、常に問題になるのがポジションだ。
ハンドルの高さ、距離、サドルの高さ、前後の位置、ペダルのクリートの位置、角度、さらにはサドルの形状やハンドルの形状までも関係してくる。
複雑な要素が絡んでいるために、正解が無いとも言われる。
乗り始めて数年たって、今更ながらにポジションを探ろうと思った。
ちょっとサイズが合わないから新しいフレームが欲しい ⇒ お金ない ⇒ 現状でもう少し快適にならないか? という発想である。
幸い、前に購入して未使用だったサドルがあり、形状的にも良さそうだったので、まずはこれを交換したのが始まりだった。
サドル交換後、10分程度ローラーに乗り、ものすごく今更ながらサドルの位置が高いのではないかと感じた。ペダルを踏みこんで5時~6時のあたりで足が伸び切ってしまう感覚が拭えなかったのだ。ただ、目視する限りでは足はまだわずかに曲がっているので、決して真っすぐではない。
とりあえず感覚に従って7㎜ほど下げてみたところ、劇的に回しやすくなったし、今まで以上に出力を上げやすく(速度を上げやすく)なった。
物は試しということで、クリートの位置もつま先側から土踏まず側に1cmほどずらしてみた。たった1cmだが、クリートの取り付け位置としては、端と端という感じである。
これは体感できるほどの差は出なかったが、大きな差が出ないという体感そのものは、関節の位置からしてつま先に近い方が良いのではないか?と考えていたのをいい意味で裏切ったことになるので、個人的には新発見に近い。
もっとも、プロ選手の間では土踏まず側の方が踏みやすい(スムーズに回しやすい)という話は既に知られているようなので、それを裏付けたと言えなくもないが。
さて、いつもなら30分ほどで切り上げるパターンだが、今回はポジションの改善もあってか30分経つのが早かった。もう少し負荷をあげてもいいように感じたし、実際に30分経過時点での出力値は1割以上上がっていたと思う。
これは良い収穫だったなと思ってローラーから降りて、最後に衝撃を受けた。
「走っているうちにサドルの位置が3cm後退していた」のだ。
今まで、フレームサイズが少し合わないということでステム短め、サドル̘前寄り、というセッティングをしていたのだが、最初に固定したサドルの位置から、30分で3cmほど後退していた。ぶっちゃけ、シートピラーの固定が甘かったわけだが。
とはいえ、関節の位置関係からして、3cmも後退したら踏みづらくなるはずだと思っていたのだが、実際には体感できるほどの踏み辛さは生じなかったことに、良くも悪くもショックを受けた。
そんなわけで、タイトル通り「人間の感覚はアテにならない」ことを痛感した次第だ。
ちなみに後日、サドルの位置を前後させて比較検証はするつもりだが、とりあえず以前よりは乗りやすくなったので、良しとしたい。もっと早くにポジション変更しておけばよかったと思う。
それでは皆さん、ごきげんよう。