K75thunderbirdのブログ

どちらかというと自分の頭の整理用です。ネタとしてはモバイル、自動車、ロードバイク、電気関係やPC関係の突っ込んだ話題、ややデバイスやコンポーネント寄りの偏った内容になると思われます。

Web会議でスピーカーフォンを使う(レビュー)

Web会議のカメラについては、物理で殴って高画質を得ることに成功した。

しかし、音声についてはノートPC内蔵のマイクとスピーカーを使い続けてきた。
決して悪くはない。しかし物足りないのも事実だ。

 

最適解は何だろうか。それは人によって異なるだろう。
ヘッドセットが正解かもしれない。
あるいはスピーカーフォンかもしれない。
単体のマイクとオーディオセットを鎮座させることかもしれない。
大掛かりになるほど品質は良くなるはずだが、比例するように面倒も増える。

そんなわけで、今回はスピーカーフォンに手を出すことにした。

 

 

 

そもそも、最初はこの記事がきっかけだった。
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/nyanwin/1289447.html

 

そして、最初はワイヤレスイヤホンを探そうと思っていた。
記事に書かれているJabraとか聞いたことなかった。ワイヤレスイヤホンといえばSONYのイメージしかなかった。
しかし、どちらのメーカーにしても「再生音が真ん中からずれていく」とか「左右で音のバランスが・・・」という評価が散見されたので、これは実用に耐えないと判断。
1万も2万も払ってストレスを溜めるようでは話にならない。

 

そこで、密林を進むこと数日。探検隊はついに見つけたのだ!
eMeetなる会社と、Lunaという製品を!!

 

ここで中華製に手を出すことについては、おそらくツッコミを入れる人の方が多いだろう。
YAMAHAとかJabraとか、そこそこ実績があるメーカーから選ぶべきでは?と思うのも至極当然だろう。
製品の取り扱い開始が数カ月前で、コロナ禍に便乗した新興メーカーの製品が信用できるのか?という印象を持つのも当然だろう。
ただ、レビューを見ていてサクラっぽい感じが少なかったのと、概ね好印象のレビューが多かったのと、低評価のレビューは使用環境や使用者に起因するものであることが想像しやすかったことから、何となく問題なさそうな印象を受けたのも事実だ。

そして、タイムセールの値引きが最後の後押しとなって、見事にポチットナー。

 

というわけでお待たせしました。
ようやく製品レビューです。

 

 

 

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外装

 

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開封

 

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端子

メーカー名:eMeet
型番   :eMeet Luna(形状が月っぽいからだと思われ)
付属品  :Bluetoothドングル、USB-TypeCケーブル(1m)、3.5㎜4極ケーブル

電源はUSB Type-Cである。Inputは5V1A。
ACアダプターは付属しないので、PCに繋ぐなり何なりして使うことになる。

今回は、Windows10のPCにて、最も安定して使えるであろうUSB有線接続で使用した。

 

 

構造的な話
本体上面はアルミ製、下面は樹脂製。質感は結構高い。
サイズ的には、Google home miniを少しだけ大きくした感じだと思えば良い。

タッチセンサーはなく、物理的なボタンによる操作になるが、タッチセンサーだと少し触れただけでも意図しない操作を行ってしまうことがある(本体を掴むときに困る)ので、タッチセンサーを使っていないというのは個人的には好意的に解釈している。
ただし、クリック音を拾ってしまう問題(後述)もあるので、どちらを重視するかという話ではある。

 


スピーカーとマイクについて
スピーカーは上面から発音するため、上から覗き込むようにして聞くと高域が少し強めである。
また、使い始めは高域が耳障りな感じがする。しかし数時間エージングすれば気にならなくなる。
EQが欲しいとか、音に不満がある場合は、留守の間に音楽でも鳴らしておけば問題なくなるだろう。

 

周波数特性については、下は出ていても100Hz程度だ。ギリギリ80Hzが聞こえるかどうか・・・といったところ。サイズを考えれば十分だ。
上は12.5KHzは出ているものの、16KHzは聞こえないので、サンプリング周波数は32KHzだろう。

 

マイクは3個を120度ずつズラして装着されており、樹脂部に下向きの穴が確認できる。
そのため、設置面は硬質な素材であることが望ましいと思われる。
レビューなどで、マイクの音質に不満を持つものが散見されるが、設置面の軟質な素材によって高域が吸音されることにより、周波数バランスが崩れている結果だと推測される。
必ず、硬い机の上に置いて使いたい。

 

周波数特性については、とりあえず8KHzまでしか捉えてくれない。
サンプリング周波数は16KHzだろう。
とはいえ、音声を拾うだけであれば明瞭度は問題ないので、必要十分だろう。

 

なお、マイクのプロパティを見ると、デフォルトではレベルが+6.0dBとなっている。
マイクブーストの意味だと思われるが、もし音割れするようであれば、これを0dBにすると良いだろう。

 


Voice AI の挙動
ONにすると、バックグランドノイズと判断された冷蔵庫やエアコンなどの普段意識しないような音は低減され、マイクボリューム100(最大)設定時に-50dB付近をうろうろしていた騒音が、-60dB以下にスッと下がる。
ただし、スペクトラムを見たり録音データーを比較した限りでは、"さ行" などの明瞭度は変化しないので、常時ONで構わないだろう。

 

OFFにした場合でも、スピーカーから鳴っている音はマイクでは拾わないため、ハウリングやエコーなどの現象は発生しない。
マイクのレベルメーターを見ていても、面白いくらいに反応しない。
そのため、このLunaを使うのであれば、ソフトウェア側のエコーキャンセルは無効で構わない。
※ 逆に、ソフト側の設定が有効になったままだと、必要な音までマスクされてしまうなどの弊害が生じかねない

 

なお、レビューを見ていると「俺はPCに詳しいんだ! エコーキャンセルが効きすぎてVoice AI は使えないんだ!」とか言っている人もいるが、設置場所との合わせ技で悪条件になっている可能性が高い。
設置面が軟質で明瞭度と音圧が低下し、発声者との距離がそこそこ遠く、部屋全体がデッドではなくライブな環境で、騒音を出す機器が多ければ、さもありなん。
そんな場合は、素直にスマホ付属のマイク付きイヤホンでも使うべきだ。

 


ボリュームの操作
本体にボリュームボタンがある。
プラス、マイナス、共にPC側のボリュームが10ずつ変更(0~100)される。

 


ミュートボタン
ミュートしたときは特に問題ないが、ミュートを解除した時にボタンのクリック音が入ってしまう。
また、ZOOMで使用した場合、このボタンとソフトウェア側のミュートは連動しない(ZOOM側の「ヘッドセット上のボタンを同期」は有効にしてあるが)ため、現状ではソフトウェア側のミュート機能を使用するのが無難なように思える。
ノイズが入っても、せめて連動してくれれば実用性は高くなるので、ここは少し残念ポイントだ。

 


通話ボタン
使っていないのでノーコメント。
スマホとペアリングして使う場合には便利だろうが、基本性能は高いので、まぁ機能的な問題はないと思われる。

 


Bluetoothボタン
電源を入れた後でボタンを長押しし、その後PC側でペアリングできた。

明示的にBluetooth接続するためにボタンが設けられているのだと思うが、何となく存在意義が薄い気がする。
また、有線接続と比較すると明瞭度と安定性に差があるというコメントは多いので、利便性とのトレードオフだろう。会議で使う分には個人的には音質に差異を感じなかったので、問題があるとすれば安定性の方だろうか。

それ以外の差異があるとすれば、ボリューム調整をしてもPC側には何も表示されない(というよりもPC側がボリューム0でも100でも音量が変わらない)のと、数十ms程度の遅延が生じることくらいで、周波数特性などは特に有線時と変わらなかった。

 

 

とりあえず、探ってみた限りでは素性は良さそうである。個人的には「アタリ」の買い物だったと思う。

そもそも1万円程度の製品なので、これだけ完成度が高ければ、あとは使い方でカバーするのが妥当なところだろう。カバーできない人はもっと高いのを買うべきだ。

 

 

なお、当方はeMeetの回し者でも何でもないことを付け加えておく。

 

 

 

それでは皆さん、ごきげんよう