K75thunderbirdのブログ

どちらかというと自分の頭の整理用です。ネタとしてはモバイル、自動車、ロードバイク、電気関係やPC関係の突っ込んだ話題、ややデバイスやコンポーネント寄りの偏った内容になると思われます。

ラージセンサーによる映像撮影の今

記録したものは、何らかの形で再生する必要がある。
業務用はともかく、民生用においての記録・再生装置は規格による制約を受ける。
ディスプレイのネイティブ解像度、ケーブルの伝送速度、記録ファイルフォーマット、などだ。

 

その制約内でも、幾つかのグループがある。
撮像素子をネイティブ解像度(ビニングを含む)で使用するか、オーバーサンプリングを前提として使用するか、だ。

 

ネイティブ系の機器としては、最近のスマートフォンやドローン、少し前のCanonの一眼レフなどが該当する。
1920x1080での撮影であれば、撮像素子上の1920x1080の領域を使用する。あるいは3840x2160をビニングして使用する。
メリットは、処理するデータ量の少なさだ。拡大も縮小も不要、そのままディベイヤー処理だけをすればよい。
読み出す行が少なくて済むため、ローリングシャッター歪みも少なくて済む
デメリットは、解像度に応じて画角が変動することと、絶対的な情報量の不足だ。

 

オーバーサンプリングを前提とする機器は、最近の一眼レフやミラーレス全般だ。
4K撮影に対して過剰なほどの画素数を持っている機器は、まずこのパターンである。
もっとも、画素数が多すぎるとビニングも併用する。
データ転送や画像処理が追い付かない、というのが理由だろう。

とても大雑把な情報ではあるが、フルサイズ一眼レフで2400万画素クラスのカメラは、少し前であれば24fpsなら全画素読み出ししてオーバーサンプリングしていた。
SONYのカメラで、そのような注意書きが記載されていたのを記憶している。
今は30fpsでもどうにか可能なようだ。NikonのZ6などがそれを示している。

使われていると思われる撮像素子の仕様を確認すると、ビデオ向けの12bitADC使用時で40fpsくらいまでは可能とされている。
そのため、少し前の24fpsの制限というのは、恐らく画像処理側がネックになっていたと思われる。

 

しかし、業務用の機器は記録ファイルフォーマットなどの制約がない。
データ転送レートなどの問題が無いわけではないが、自社で規格を作ってしまうので、制約は限りなく少ない。
また、民生用機器ではデータ転送や画像処理が追い付かないという壁が存在するが、業務用機器では撮像素子の駆動限界までキッチリと使い切り、必要なリソースは消費電力と引き換えにしっかりと用意する。
余談だが、それに近いことを民生用でやっているのが、パナソニックだろうか。
民生用の枠内で、他の機種よりも電気とシリコンを投入している感はある。

 

さて、業務用機器の最右翼と言えばRED社ではないだろうか。
調べてみて驚いたのは、会社を作ったのがサングラスで知られるオークリーの創業者だということ。
共に光学系なので、何となく納得する組み合わせではある。

なお、調べてみた限りではあるが、業務用機器ではネイティブ解像度での撮影しか行えないものが殆どだ。
ビニングもしない。
オーバーサンプリングもしない。
ビニングは品質を低下させるし、オーバーサンプリングするくらいならネイティブ解像度で記録しよう、ということなのだろう。
よって、解像度を下げると画角が挟角化する。
これは初代のRED ONEから変わっていない。

そんなREDのカメラは、今どのあたりの水準にあるのか。
8K対応のMonstroは、8192x4320で60fpsが可能である。
2400万画素を30fpsで使っている民生用機からすれば、約3倍の情報量をブン回していることになる。
たった3倍か、と思わなくもないが。

余談だが、このセンサーは対角線が46.31㎜もあり、35㎜フィルムの写真用レンズを使用した場合に少しケラレる。
43.3㎜から少しだけはみ出しているからだ。
とはいえ、ほとんどのレンズでギリギリ使えるのではないかと思うが。
そして、なぜこんな中途半端に大きいサイズの素子を作ったのかと考えてみたが、これは下位モデルのDragon搭載の素子をそのまま8K解像度になるまで拡大したものだ。
つまり、せめて下位モデルと同等の感度やDレンジを確保するために、結果的にこの大きさの素子になったということだ。

そんなわけで、同じ8Kでももう少しレンズに困らないモデルを作ろうと思ったのだろう。
中堅モデルのHeliumは、同じ8Kでありながら、もう一つ下のGeminiと同等のサイズの撮像素子を持つ。
とはいえ、本体に「S35」の文字がありながら、対角線が33.8㎜もある。
こちらはS35向けのレンズだったら確実にアウトだろう。
そのため、レンズ資産を優先させるのであれば、6Kくらいの解像度で撮影することになるのだろうか。
それでも十分高解像度であるが。

この廉価版8Kとも言えるHeliumに対して、もう少し感度的な余裕を持たせたい、解像度的にも下位モデルと同じでいい、と考えてバランスを取ったのが、Geminiなのだろう。
厳密にいえばHeliumと同サイズではないが、解像度を5Kまで落としたことで感度的にはかなり余裕があるはずだ。
これ、画素サイズを計算すると、フルサイズ一眼レフ向けの2400万画素とほぼ一緒である。
各社が発売している2400万画素モデルの高感度特性が素晴らしいことを考えれば、このGeminiも夜撮影では相当に活躍すると思われる。

そして、S35のサイズをほぼ守った状態で、できるだけ解像度を上げたモデルが、エントリーモデルのDragonだ。
レンズのケラレなども気にする必要が無く、フル解像度でも5Kであるので、普通に使うのであればもっとも使いやすいと思われる。

 

そんなわけで、少しだけRED社のカメラについて理解が深まったところで終わりとしたい。

それでは皆さん、ごきげんよう

 

新型コロナウイルスの終息、いつ?

Googleアシスタント経由で聞いていた某日経電子版ニュースで、「新型コロナ」と「新型コロナウイルス」を混ぜて読み上げていたのにイラッとしたのは自分だけだろうか。
正確な方に統一してほしい。
ウイルスを端折るほど舌っ足らずか?

 

 

それはともかくとして、この事態がいつになったら終息するのか。
 ※意味合いを考えて、収束ではなく、あえて終息と記す

誰もが思うだろう。

 

 

結論だけ先に言ってしまえば、国民の半数近くが感染しない限り終息しない。

 

 

良い記事があったので紹介しておこう。
というか、今回のネタはここから来ている。

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1248879.html

 

PCの情報サイトに、何故?
そう考えるのが、たぶん正しい反応だろう。
しかし、論理立てて説明できるものは数値化できる。
数値化できるものは半導体で扱える。

 

 

非常事態宣言などの判断は、SIR数理モデルを用いている。
ざっくり言ってしまえば、基本再生産数が求められれば、どのタイミングで感染数が減少に転じるかが分かる。
問題は、未知のウイルスゆえに基本再生産数が正確に求められないことと、今が山の何合目であるか分からないことだ。

 

基本再生産数については、各国で数値が異なる。
しかし、おおよその傾向は似たものとなる。
インフルエンザなどと比較すれば、基本再生産数は高い。
それは確定している認識のようだ。

 

現在地についても各国で異なるが、こればかりはサンプリングしてみないと分からない。
抗体検査を開始した現状では、まだその判断ができない。

絶対確実なのは、どの国もまだ山を迎えていないということだ。
放っておいても終息する、という状況ではない。
押さえ込んでいるだけに過ぎない。
対処療法を行っているだけであり、緩めすぎれば次の山が来る。

 

 

ここ数日の東京都の新規感染者数の発表が多少落ち着いているからと言って、この人数がこのまま減少すれば早期にいろんなものが元に戻るという考えは、お花畑と言わざるを得ない。
そんな近視眼的な勘違いしている人はいないと信じたい。

もっとも、田舎で見かける都会ナンバーの車はその類だろうと思っている。いろんな意味で近寄りたくない。
某国の首相が言ったように、新鮮な空気を吸ったところで免疫は強化されないのだ。

 

しかし、医療技術がいくら進歩しようとも、それを支える半導体技術がいくら進歩しようとも、結局のところは人間の免疫を有効利用するための確率を向上させることしかできない。

そう考えると、人間の体は偉大なのだ。つくづく思う。

 

 

 

 

それでは皆さん、ごきげんよう

 

オンライン会議のWebカメラを豪華に

普段自宅ではデスクトップPCを使っているものの、ノートPCもある。
そのため、昨今流行りのオンライン会議も問題なく対応できる。

 

ただ、カメラの位置が画面上部に固定であるのは制約だ。

また、中途半端に広角なので不要なものまで映ってしまう。

そのため、カメラを外付けにしたいと考えていた。

 

外付けにする場合、素直にWebカメラとして売っているものを買ってきて、USBで接続する方法がある。
ただし、ズームできるものは皆無に等しい。
また、画質も良いとは言えない物ばかりで、MCによって退化したと言われるモデルまである始末。

こうなってくると、映像出力を持つ機器をPCに繋げる方法を選択することになる。
HDMIをUSBに変換する機器が必要だ。

 

 

 

最初、Amazonで中華製の1万数千円クラスの変換器を購入した。
UVC対応だったので、接続に苦労することは無く、ドライバも無しに普通に認識された。

ところが、喜んだのもつかの間、映像の質が著しく悪い。
一応30fpsは確保されているが、なんというか、ものすごくザラザラなのだ。
今にして思えば、たぶんUSB2.0で流せる程度の情報しかなかったのではないか。
映像機器からは1080i出力なので、60iで考えると元データは190MB/s程度。
YUVにしても125MB/s
色数を落とせば30~40MB/sくらいになるので、妥当な考え方だろう。

 

今にして思えば、USB2.0対応・3.0対応、となっていたのは地雷だったのかもしれない。
本当に3.0に対応しているかどうか不明というのもあるし、機器が誤認識して3.0で動作しないかもしれない。
というか、中身のチップに刻印を削ってあるものが複数あったので、チップレベルで3.0動作しない可能性が濃厚。
また、本体外装に踊る4Kの文字。実際には対応しているわけがない。

結論:怪しさ大爆発。

 

そんなわけで
 ・UVC対応は便利だけど非圧縮映像を扱うには低画質?
 ・USB2.0対応と書かれている安価な機器は地雷?
 ・1万円台は止めといた方がいい気がする
という知見が得られた。

 

 

そこで、もう少し素性の分かるものを購入。
AVerMedisのLive Gamer EXTREME 2 - GC550 PLUSを買ってみた。
並行輸入のGC551だが、同社サイトでは英語表示にしても中国語表示にしても同じ扱いをされているようなので、同一機種と考えて良さそうだ。

 

買ってから気づいたが、UVC対応ではない。
ドライバも必要だし、そのままではWindowsのカメラアプリなどでは使えない。
そこで、とりあえず動作確認のためにドライバとRECentralをインストールした。

 

ところが、RECentralを起動させてもスプラッシュウィンドウが表示されたところでフリーズする。
タスクマネージャから終了させても、サービスレベルで何か残っており、これを停止できない。
Windows10の1903だが、どこに不満があるというのか。
さっさとアンインストールすることにした。
各所の評価を見ていてある程度予想はしていたものの、使用以前の問題だとは思わなかった。

 

そもそも、ゴールはオンライン会議で使う事であって、録画配信することではない。
そう思いなおして、映像を配信用のアプリで受けた上で、仮想カメラとして出力する方法を模索した。

 

配信用のアプリはOBSを使用した。
仮想カメラ対応のためにはプラグインが必要になるが、このプラグインがなかなか動作しない。
最終的にはZoomで使用する予定だったので、ここで映像を受け取れるかどうか確認しながら進めたが、バージョンを戻したり権限を見直したりしているうちに、気づいたら動作していた。
納得できないが、一応許すことにする。

 

なお、Xsplitも試してみたが、登録しないと使用できない(一応登録はした)ことや、仮想カメラにXsplitのウォーターマークが入ってしまう(設定で無効化したり解像度を落としても変化なし)ことから、こちらは使えない子である。
起動するたびに有料登録を勧めてくるのもウザい。

 

ただ、Xsplitで設定を試しているときに分かったことがある。
GC551は、アプリからの要求解像度を下げると(元々1080だったものを720とかに)に切り替えると「Out of range」の表示が出る。

最初に疑ったのは、ビデオからのHDMI出力が対応していない可能性だ。
少々古い機器だったので、1080iしか対応していないのかもしれない。
そう考えたが、手持ちのデジカメに変更しても変わらなかったので、恐らくビデオ側の問題ではない。
また、取説などを見てみると、解像度は出力先の機器に応じて自動的に変更されることになっているので、そこの問題はないだろう。

 

恐らく・・・であるが、GC551は解像度変換まではしてくれない。
HDMIから映像信号を抜き出して、何らかの形でUSBに流すだけ。
入力解像度に応じた出力をするだけなのだ。
消費電力3.5W程度なので、そこまで高度なことをしてくれないだろう、という読みである。
もっとも、OBSで似たような設定変更をしたら、特に問題がなかった気がするので、アプリとの相性なのかもしれない。

 

そんなわけで
 ・RECentralは使えない子
 ・GC551に罪は無い
 ・GC551は解像度変換しないっぽいので、縮小するならアプリ側で
という知見が得られた。

 

 

 

さて、画面に映る自分の顔も見飽きてきたところで、動体のコーミングエフェクトが気になってきた。
ビデオからは60iしているので、仕方ない。
そこで、プログレッシブ変換(デインターレス処理)を試してみた。

しかし、設定によっては縦の解像度がガタ落ちする。
斜めの線にジャギーが出てしまう。
処理しなければジャギーは出ないが、コーミングエフェクトが出る。

なお、「x2」と書かれた処理を選択すると、コーミングエフェクトがそのまま残る。
x2というのは、処理範囲などのフィルタ名ではなく、単純に2倍のFPSで出力するということのようだ。
60i⇒30pにしたいのであれば、普通は使えないだろう。

 

あちらが立てばこちらが立たず・・・という感じだったのだが、そもそもWebカメラとして使うのであれば、30pあればよいのだ。
そう思い直して、ビデオカメラの設定を確認してみた。
気になる設定があったのを思い出したのだ。
撮影フレームレートの設定があり、60iから30pに変更してみたのが大当たり。
処理しなくてもコーミングエフェクトは出ないし、もちろんジャギーも発生しない。


これでいいのだ!

 

一応、取説を見る限りは、ビデオからの出力は60iのままのようだ。
ただ、CMOSからの読み出しをインターレースで行うか、プログレッシブで行うかが異なり、それをそのまま60iの信号としてHDMIに流している。


でも、これでいいのだ!

 

 

さて、ここまでたどり着いたところで力尽き、モニターにする画面配置やライティングまでは手が回っていない。
したがって、今回はここまで。

 

写真? これだけ映像ネタやってて写真くらいないのかって?
出せるような写真を撮るほど時間がなかったのです。あしからず。

 

 

 

それでは皆さん、ごきげんよう

なぜ、IMAXは凄いのか。

物理的な重厚長大は、ロマンである。
最終的には、この一言に尽きる。

 

何の話かというと、映画だ。
撮影機材、フィルム規格、そういった話だ。

 

順を追って説明しよう。

 

映画というのは、大半が35mmフィルムで撮影されている。
いや、「されていた」と過去形にした方が正しい。
今では撮影の大半はデジタル化され、上映もデジタルで行われている。
16mmフィルムの存在や、フィルムサイズとは関係ないサイズの撮像素子の登場については、今回は触れないことにする。

そもそも、35mmフィルム時代、フィルム1コマのサイズはどれくらいだったのだろうか。
まずはそこから情報を整理してみたい。
※ 面倒なので光学音声トラックは省略

写真では35mmフィルムを横方向に、8パーフォレーション分使い、横36mm、縦24mm、というサイズを使用する。
映画では35mmフィルムを縦方向に、4パーフォレーション分使い、横24mm、縦18mm、というサイズが基本となる。
写真で言うところのハーフサイズだ。
アスペクト比は4:3であり、映画ではこれがスタンダードサイズとなる。

ビスタサイズと呼ばれるのは、アスペクト比おおよそ16:9であり、縦を18㎜から14mmに縮めた規格である。
とはいえ、4パーフォレーションであることは変わらないので、上下に黒帯が存在する。

しかし、せっかくのフィルムに使わない場所があるのは勿体ない。
アスペクトを優先した結果情報量が削られてしまうのはいかがなものか。
そう考えたのか、より横長の規格としてシネマスコープでは、スタンダードサイズに横方向を圧縮した映像を記録し、上映時に伸張する方式を採用した。
これにより、2.35:1というアスペクト比を実現した。

 

映画の歴史は横長への歴史だと(勝手に)思っているが、横長にするのも限度がある。
誰も、ヘルメットの隙間から見るような視界を求めているわけではないのだ。
欲しいのは臨場感。
そのためには、さらなる情報量。
さらに上を目指して生まれたのが70㎜フィルムだ。

しかもIMAXではフィルムを縦に使うのではない。
横に走らせる。
アスペクト比こそ平凡だが、1コマで15パーフォレーションも使う。
結果、横70.41mm、縦52.63mm、という広大な面積を確保している。
面積比で言えば、35㎜フィルムの8.58倍である。

 

35㎜フィルムを写真で使った場合、感度400のネガフィルムで800万画素程度だということを、過去に個人的な実験で確認した記憶がある。
室内で、十分な光量を用意して、スローでもハイスピードでもないSSで、絞りは開放より少し絞り込んで、画面中央付近で解像度チャートを撮影した結果だったはずだ。
もちろんレンズや光源によって変動はあるだろうし、低感度になればもっと値は上がるだろう。
ただ、映画撮影で極端に低感度なフィルムは使用できないとすれば、映画なら35㎜フィルムで400万画素程度だと考えるのは妥当だと言える。
とすると、IMAXは3500万画素程度は見込めることになり、条件次第ではそれが7000万や1億くらいになってもおかしくない。
これは圧倒的な画質と言える。

余談だが、アナログで物理的に圧倒するやり方は、DVDが出てくる前のLDを彷彿とさせる。
1回転で1フレーム(走査線数525本)をアナログで記録し、30センチのアクリル製の円盤を最高で1800rpmでブン回す。
物理で殴っている好例だ。

 

話を戻そう。

35㎜フィルムに関して言えば、デジタル撮影に置き換わってきているのは承知のとおり。
だが、このIMAX(というか70㎜フィルム)についてはフィルムしか選択肢がない。
何故か。
話は簡単で、面積が大きすぎて撮像素子が製造できないからだ。

現状、製造されている撮像素子の最大サイズは、横60mm程度、縦45mm程度、のようだ。
試作品などであればもう少し大きいのもあるかもしれないが、極端な違いはないだろう。
そもそも、半導体の製造限界は800平方ミリメートル程度である。
よって、これを超えるサイズのチップを作る場合には繋ぎ合わせて作ることになる。
2分割でも足りないので、4分割くらいだろうか。相当に高度な製造技術が必要であることは間違いない。

また、仮にIMAXと同サイズの素子が製造できたとしても、フレームレートが確保できない。
前述したラージサイズの撮像素子であるが、1億5千万画素で6fpsくらいが限度。
4000万画素程度まで落とせば24fpsを実現できそうだが、ベイヤー配列であることやダイナミックレンジの事を考えると、もう少し画素数は欲しい。
とはいえ、撮像素子は大型化するほど低速化する傾向があるため、この辺は納得できる話ではある。

 

ということで、物理で殴るIMAXは強いのだ。
たとえそれがアナログであっても。
クリストファー・ノーラン監督も、その魅力にとりつかれた人の一人なのだろう。

 

長くなってきたので、上映時のデジタル化の話や、その解像度の話、撮像面積により異なるボケの大きさ、代用品の可能性、デジタルの弊害などについては、また別の時にまとめたい。

それでは皆さん、ごきげんよう

コロナウイルスの感染拡大に影響を与える要素

唐突だが、連日の報道を見ていて、自分なりに説明がつけられる範囲で、思ったことを書いて整理してみようと思う。

 

何を思ったかというと、この状況下でまだ感染者が発生していない県があるということ。
これに関係する要素は何なのか。

もちろん、保菌者が持ち込んでしまえば感染は広がる。
それは広大な北海道が例証している。

ただ、一定の閾値以上の感染者の流入がなかった場合、県や地域によっては感染が広がらずに持ちこたえる。
ゆえに、今でも感染者が発生していない県がある。

最初、それらの県は日本海側に多かったことから、偏西風などの風が影響しているのかと考えた。
ただ、風通しを良くすることが予防策として挙げられているものの、偏西風は上空なので地上にはあまり影響しない。
地表面の風を見てみると、低気圧の移動などに伴って風向きが刻々と変化するので、必ずしも日本海からの空気が吹き付けるとも限らない。
ただ、内陸の地域に比べれば風速は強い。これは換気のしやすさにつながるので、ポジティブな要素だ。

 

色々考えた結果、シンプルに、人口密度が支配的要因なのだという結論に至った。
少なくとも、日本という文化圏においては。

北海道は絶対的な面積こそあるが、人口もそれなりに多い。
その人口がまんべんなく拡散しているわけではなく、一定の範囲に集中しているのであれば、北海道での感染拡大は説明がつく。
東京や大阪については言わずもがな。

では地方での感染拡大は何故?という話になるが、どんな田舎であってもある程度人口が集中している場所は存在する。
「感染者が出ていないから」などの様々な理由で油断した人々が、そういった場所で運悪く感染してしまった。
ただし、感染者が保菌中に接触する人の数は、首都圏に比べると圧倒的に低い。
よって、感染者は急増せずにじわじわと増加する。
これが現状ではなかろうか。

ただ、ゆっくりとした変化であるがゆえに、急激な意識の向上が難しいのも事実だろう。
そのため、終息に至るとしても、かなりの長期間を要するはずだ。
もっとも、絶対数の多い首都圏とて要する時間が長期化するのは同じなので、田舎であっても首都圏と同様に意識する必要がある、というだけなのだが。

 

終息といえば、ニュースで「8割の活動を制限した場合」のような前提での専門家の推定が話されることがあったが、これが興味深い。
ここでも8割2割の法則が出てくるのだ。
法則名は適宜調べて欲しい。
また、多少解釈が間違っているかもしれないがご容赦いただきたい。

この法則、重症患者の比率でもほぼ当てはまっており、感染者の2割が重症化し、全体の5%が非常に深刻化する・・・というのは、この法則を2回適用した状態に等しい。

感染拡大に関して言えば、8割の活動を抑え込んでしまえば、恐らく終息に向かうのだろう。
0.2を乗じていけば、限りなく0に向けて収束するのだから。
ただ、保菌中に接触する人の数を考えると、これが0.3や0.4だったりすると収束の速度は落ちる。
よって、現実的な解として8割という数値を示しているのだろう。

 

本件に関して推測は控えめにしておくが、現状で世の中に出ている情報は矛盾なく理解できるので、恐らく現状では正しい理解だと信じている。
個人的には、これを期に咳エチケットを習得した人が世の中に増えてくれると、今後少しは快適な生活ができるのではないかと期待しているのだが。
人に向けて咳き込む人、生理的に受け付けないので。

 

 

とまあ、今日はこの辺で。
それでは皆さん、ごきげんよう

消費電力におけるi7とCeleronの比較

フルロード時も、TDPも、そもそもCeleronの方が低クロックなのだから低消費電力である。
という当たり前の結論は置いておいて、今回はアイドル時の消費電力について。

 

以下の内容、あくまでも「HWiNFO64の値が正しいのであれば」という但し書きがつく。
念のため、そのことに留意されたい。

 

仕事も含めて公私混同でノートPCを使っている。
CPUはi7-8565Uである。

省電力化のため、ThrottleStopを使ってコア-90mV、アンコア-40mV程度の調整をして使っている。
そのおかげもあってか、起動してしばらく放置したときの CPU Package Power の最低値は0.75W程度に収まる。
ちなみにクロックは400MHzである。

十分すぎるくらいに優秀なのだが、ここにCeleron 3955Uという比較対象が出現した。
格安でに入手した遊び用のPCである。
鋭い人はピンとくるであろう、例の富士通シンクライアント端末だ。
ちなみに3000番台だがIvyではなく、Skylakeである。


i7はCoffie Lake・・・じゃなくてWhiskey Lakeなので、厳密にいえば世代は異なる。
ただ、改良に改良を重ねた14nm世代なのと、アーキテクチャがほぼ変わっていないので、挙動に関してはほぼ同じと考えていいだろう。

で、このCeleronであるが、Celeronなのでいろいろと弱い。
キャッシュが少ないとか、クロックが低いとか、選別漏れなんじゃないかとか、省電力機能はきちんと働いているのかとか、そういう話だ。
後半は個人的意見だが。

CeleronもThrottleStopを使ってコア-90mV、アンコア-50mV程度の調整をしている。
その上で、 CPU Package Power の最低値は1.3W程度にしかならない。
クロックはi7と同じく400MHzなので、条件は変わらない。
ただし、4コアではなく2コアであるのに、だ。
訳が分からない。

 

まず、HWiNFO64が言うところの「CPU Package Power」とは何だろうか。
内訳がすべて表示されているわけではないので、詳細は不明だ。
ただ、含まれると思われるもので値が示されているのは「IA Cores」と「GT Cores」だ。
「IA Cores」は、いわゆるCPUのコアそのもの。
「GT Cores」は、内蔵グラフィックス部分。

GTでもスライス部分とアンスライス部分があるようだが、両方を含むかどうかは不明である。
また、これ以外にもアンコアやキャッシュやリングバスもある。
ただし、この辺りについては消費電力の値は表示されていない。
個々に拾うセンサーがないのか、あっても値取得の方法が開示されていないか、そんなところだと思うが。

話を戻すと、「IA Cores」と「GT Cores」については、値を見て一喜一憂できる。
ということで比較してみよう。

 

まずはIAについて。

i7は最低値が0.2W弱である。
Celeronは最低値が0.1W強である。
電圧の差異はあるが、同クロックでコア数が倍と考えれば、この値については何の不思議もない。
順当な結果である。

次にGTについて。

最低値を見ると共に0W付近なので、Celeronはアンコアが大飯食らいであると結論して良いように思う。
なお、最低値ではなく普段使っているときの値で比較すると、
i7は0.02W程度、Celeronは0.4W程度であり、アンコアだけでなくGTもCeleronは電気を食う。
もしかしたらiGPUのドライバを変えたり設定を変更すれば変わるのかもしれない。
ただ、あまりにも違いすぎる。

 

他、比較できる値としては、「Total DRAM Power」がある。
Totalなので、DRAMの消費電力も含んでいるような気がする。たぶん。
i7が16GBのDDR4(たぶんデュアルチャンネル)で、平常時0.5W、最低0.3W
Celeronが12GBのDDR4(デュアルチャンネル)で、平常時0.95W、最低0.45W
なぜかCeleronが倍近い消費電力となっている。

ただ、これには理由があることが分かっている。
クロックだ。
共に「DDR4-2133」規格だが、i7は低負荷時に半分のクロックで動作している。
Celeronは定格のままだ。
よって、DRAMの消費電力の差は、クロックに起因すると考えて間違いないだろう。

 

結論らしい結論が出せないが、Celeronの電力管理が雑なのか、無効化された部分のダイに何らかのリーク電流があるのか、その辺までは調べ切れなかった。
ただ、Celeronは省電力機能を意図的に制限している様子は見て取れる。
ピークを伸ばすこともできないが、絞ったときに絞り切れない。
価格差を考えればさもありなん、という感じではあるが、制御くらいはもう少し頑張ってもいいのでは?と思わなくもない。
ノートPCにおける1Wの違いは結構大きいので、もう少し頑張ってほしかったところではある。

もし時間があれば、Intelの技術資料などからヒントが得られないか調べてみたいとは思うが、今日はこの辺で。

 


それでは皆さん、ごきげんよう

LED電球に見る無知と一般常識

ここ数日、超個人的な話で申し訳ないが、宅内の白熱電球をLED電球に交換している。
既に幾つかは交換してあったが、手をつけていなかったところに手を出した感じだ。

久しぶりに製品情報を漁ってみたが、相変わらず普及価格帯の製品は演色性は80前半であり、効率は多少上がってきて100lm/Wを超えるものが多くなっているものの、価格的にはこの数年で大きな動きはないように思う。

白熱電球は論理的には演色性100であるので、代替を考えるのであれば演色性は高いほうが良い。
しかし、LEDチップ製造メーカーが80前半程度の値で十分と考えているのか、一部の製品を除いて発光効率の向上が優先されているようで、お財布と相談するならば演色性についてはある程度妥協せざるを得ない。

よって、評判が極端に悪くなく、できるだけ安いものを選ぶことになる。
とはいえ、カタログスペックがあてになるかどうか怪しいような中華製は除外。
趣味で使うものであれば、安かろう悪かろうで諦めることもできるのだが、日常的に使うものでストレスを抱えるのは避けたいからだ。

というわけで、国内メーカーが販売しているLED電球で、コストパフォーマンスに優れているものを探して購入したわけである。
結論から言ってしまえば、今回はアイリスオーヤマの製品を選択した。
過去に購入したPanasonicやOHMのLED電球と同様、赤いスペクトルが不足しているのは想定の範囲内だし、多少は効率が上がっているので発熱の減少は期待できそうだ。

 

前置きが長くなってしまったが、今回ネタにしようと思ったのは某所のレビューだ。
まるで某知恵袋か、価○掲示板。
そもそも客層からして同じだろうが、一般の人が考えている事が垣間見えるのが興味深い。

 

「室内用と書いてあるが、マンション廊下では使えないのか?」

 室内用と書かれている理由をまず考えよう。
 要は、防水ではないということだ。
 よって、飛沫がかかる場所じゃなければOKだろう。
 お前はこれを風呂場で使わないのか?そういうことだ。

 もっと考えるなら、温度変化も関係しているのかもしれない。
 周囲温度5~40度で使用してください、と書かれているからだ。
 もっとも、これは回路上の問題だけではなく、結露も関係しそうだ。
 とはいえ、寒冷地だと冬季は室内でも5度を下回る可能性もある。

 結局、大丈夫だろうが自己責任で使え、ということになる。

 

「ブルーは暗いです、暖色系ならいいかもしれません」

 パッケージの光束の値を読んでないのだろうか。
 どちらもほぼ変わらないのだが。
 そこに違いがあるとすれば、知覚上だけだろう。

 

「ものすごく明るくなりました」

 元々110Vの40W電球でも使っていたのだろうか。
 100W相当で劇的に明るくなったと言うのであれば、元々が暗すぎたのだろう。
 比較対象が悪いというか、なんというか。

 

「そろそろ値下げして万人が使えるようにしてもいいのでは?」

 今でも十分安いので、貧乏人は麦をk(ry

 

「LEDは直進性が強いので目に刺さる、白熱電球のようなやさしい光を求む」

 言いたいことは分かるのだが、光というのは直進性が強いものだ。
 もうちょっと日本語を学ぶべきかと思う。

 

「重たいので減点します」

 放熱は物量がものを言うので、その重さは放熱性能に寄与しているのだが。
 軽薄短小が必ずしも正しいとは限らない。

 

「60Wの電球から40W相当のLED電球に交換したら明るくなりました」

 110V仕様の電球って、案外と知られてないんですね。

 

「国内品は安心です、輸入品は火事が怖い」

 生産国を見て失望していただきたい。

 

「箱の保証書が邪魔」

 畳んだ箱を保管するスペースすらないのですか。

 

「予備が必要なので2つ注文しました」

 予備は今まで使っていた電球でいいのでは・・・

 

「人感センサーつきの機器で使えないので減点します」

 パッケージに書いてあるのに減点する意味が分からない。

 

「透明感がない色でした」

 言いたいことは分かるが、日本語をもっと勉強(ry

 

「点灯にタイムラグがあります」

 整流回路というか、主にコンデンサの関係だと思うのだが。
 中身を想像すれば理解できるはず。

 

「以前使っていたLED電球と違って、点灯直後から明るくなりました」

 それは電球型蛍光灯だったのではないだろうか。
 白熱電球以外にはLED電球しか存在していない世界でもあるのだろうか。

 

「熱対策が甘い」

 ヒートシンクにスリットが入っていない事を言っているのだろうか。
 過去のLEDよりは発光効率が上がっているので、問題なさそうだが。
 それとも、触れられないくらい熱くなる事を言っているのだろうか。
 LEDにしても結局8割近くは熱として捨てているので、それは仕方ないのでは?

 

・・・などなど、延々と突っ込みどころが出てくる。

日本語変換レベルで怪しい書き込みが多いのも、日用品ジャンルの特徴だ。
高価格で専門性が高い製品は、まだマシだ。

ちなみに、宅内の白熱電球をLED化したとはいえ、電気代で元が取れるという類の考えはしていない。
太陽光発電で元が取れると考えないのと同じようにだ。

ただ、帰宅して消し忘れに気づいたときに、「60Wx10h≒動画エンコード4hの電気を無駄にした」とか考えずに済む。
また、蛍光灯と違ってオンオフ時のレスポンスが画一的である。
要するに、精神衛生上良いので使っているだけである。

 


今日はこの辺で。

それでは皆さん、ごきげんよう